ジェム・インフォメーション第29号発行 2005年1月27日

目次

1)第29回国際宝石学会議2004 中国/武汊市(Wuhan)
発表レポート全文
   『ナイジェリア産のエレクトリックブルー・トルマリンについて』
     “パライバ・トルマリン それとも新しい名前にするか?”
   Pre Conference Tourに参加して
   Post Conference Tour (A) (B)

2)ピンク・トパーズの加熱について
3)ダイアモンドの含浸処理
4)アフガニスタン産モナザイト(Monazite)について
5)2005年の宝石の色“紫”
6)最近入手した宝石?その12
   56)Adamite 57)Cancrinite 58)Eudialyte
    59)Parisite 60)Vanadinite

最近入手した宝石 ? その12

56)Adamite アダマイト:ギリシャ産 0.218ct 緑青色透明石

和名はアダム石、または水砒亜鉛鉱、 化学組成:Zn2(AsO4)(OH)、斜方晶系に属する。産状:腎臓状、球状集合、時には板状?短柱状結晶??? 色相:無色、淡緑色、帯青緑色、緑色(Cu)、ピンク色?紫色(Co)で透明ないし半透明石??? 光沢:ガラス光沢、 モース硬度:3.5、 劈開:{101}に明瞭、 比重:4.32?4.48??? 屈折率:α=1.722、β=1.742、γ=1.763、 複屈折量:+0.041、 多色性:二色性強??? 蛍光性:長波にて緑色蛍光、短波にて緑色又は黄色蛍光?? 産地:メキシコ、ナミビア、ギリシャ、フランス、チリ、イタリア、ドイツ・・・等
広い範囲を示す成分比によって、光学的特性は大きく変化する。Paradamite石とは同質異像である。ほとんどが集合構造で単結晶の美しい透明石は大変に稀少であり、硬度も低いのでコレクター対称の石である。名称は最初に発見したフランスの鉱物学者G.J.Adam氏(1795?1881)に因んで命名された。

57)Cancrinite カンクリナイト:カナダ産 0.217ct 鮮黄色透明石

和名はカンクリナイト又は灰かすみ石??? 化学組成:Na6Ca2Al6Si6O24(CO3)2、 六方晶系に属する。? 産状:通常塊状、稀に柱状結晶、? 色相:無色、白色、黄色、オレンジ色、淡青色・・・等、? 透明?不透明石、? ?光沢:ガラス光沢、劈開面は真珠光沢、 モース硬度:5?6??? 劈開:{1011}に完全、 比重:2.42?2.51、 屈折率:ω=1.507?1.528、ε=1.495?1.503、 複屈折量:?0.022、 多色性:二色性微弱、 蛍光性:長波・短波共に変化なし、 産地:カナダ、アメリカ、ノルウェー、ウガンダ、ケニア・・・等
透明のファセット・カット石はごくごく稀少で、カナダ産は黄色ないし、オレンジ色で魅力的なカボションになる。SO4分がCO3分より多くなれば、変種のビジネバイト(Vishnevite)になり、特性値はカンクリナイトと同じである。又Na、Ca、Kが置換して、15種類以上の鉱物がある。名称はフランスの駐ソ大使のロシアの貴族Cancrin伯の名に因んで命名された。

58)Eudialyte ユーディアライト:カナダ ケベック産 0.377ct 赤色透明石

和名はユーディアライト? ?化学組成:Na15Ca17Fe3Zr3Si(Si3O9)2(Si9O27)2(OH)2Cl2??? 三方晶系に属する、 産状:六角ないし三角形の板状?柱状結晶,
色:ピンク色、褐色、褐赤色、青色で半透明石? 光沢:ガラス光沢?脂肪光沢 モース硬度:5?5.5、 劈開:なし、 比重:2.74?2.98?? 屈折率:ω=1.591?1.623、ε=1.594?1.633(屈折率:ω=1.655?1.658、ε=1.633?1.636の報告もある)、 産地:アメリカ、カナダ、ノルウェー、アイルランド、ロシア・・・等
カナダのケベックからは良質の美しいルビー赤色の産出があり、名称は酸に良く溶ける事を意味するギリシャ語に由来している。
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59)Parisite パリサイト:コロンビア産 0.587ct 黄褐色透明石

和名はパリス石又はパリサイト、化学組成:Ca(Ce,La)2(CO3)3Fe、セリウムその他希土類元素を含んだ弗化物炭酸塩、三方晶系に属する。 産状:微小錐状、柱状結晶、 色相:無色?黄色、褐黄色、透明?半透明石? 光沢:ガラス光沢?脂肪光沢、 モース硬度:4.5、 劈開:{0001}に明瞭、 比重:4.36?4.32
屈折率:ω=1.676、ε=1.757、 複屈折量:+0.081 産地:コロンビア(ムゾー鉱山)、イタリア、グリーンランド、ノルウェー・・・他
コロンビアのBogota北方Muzoのエメラルド鉱床中に、黄鉄鉱、アルバイト、カルサイト・・・等を伴う。名称は、Muzo鉱山経営者J.J.Parisに因み命名された。化学組成、結晶構造は共にバストネス石(Bastnäsite)と関連。
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60)Vanadinite バナディナイト:モロッコ産 0.233ct 橙赤色透明石

和名は褐鉛鉱、化学組成:Pb5(VO4)3Cl、リン灰石族の緑鉛鉱系列に属する鉱物、六方晶系に属する。 産状:六方柱状結晶、卓状結晶で、稜は鋭く、面は滑らかだが曲面をなす物もある。? 色相:赤色、オレンジ色、赤橙色、稀に無色・・・等 半透明?不透明石、?? 光沢:樹脂光沢ないし亜ダイアモンド光沢、 モース硬度:2.5?3?? 劈開:なし、比重:6.5?7.1(通常6.88)、 屈折率:ω=2.416、ε=2.350、 複屈折量:?0.066、 多色性:二色性弱、 蛍光性:長波・短波共に変化なし 産地:アメリカ、メキシコ、アルジェリア、モロッコ、イタリア、イギリス・・・等
ファセット・カットはごく稀であり、良質石はアリゾナ産が主で小さく、モロッコ産はそれに次ぎサイズも大きい。硝酸や塩酸に溶けやすく、主に鉛鉱床の酸化帯の二次鉱物として産出する。20種類ほどあるアパタイト・グループに属する。日本名は鉱物の色と主成分の鉛より、英語名は主成分のバナジウム(V)から命名された。

最近手に入れた宝石 ? その11

51)Afghanite アフガナイト:アフガニスタン産 0.178ct 青色透明石

化学組成:(Na,Ca,K)8 (Si,Al)12O24(Cl,SO4,CO3)3・H2O カンクリナイトCancrinite系の鉱物で、六方晶系に属する。 屈折率:β=1.523、γ=1.529、モース硬度:5.5?6、 比重:2.55?2.65、 劈開:1方向に完全、 色相:青色透明石、 蛍光:長波で強いオレンジ、多色性:微弱
アフガニスタンのBadakhshan州、Sar-e-Sangのラピスラズリ鉱山中に、塊状で産出する。ラズライトの結晶中心部分を形成し、ソーダライト(方ソーダ石)、ネフェリン(かすみ石)、フロゴパイト(金雲母)、そしてパイライト(黄鉄鉱)を伴って産出する。ラズライト・インクルージョンを多く内包し、その色をより青く見せている。
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52)Charlesite チャールサイト:南アフリカ産 1.148ct 黄色半透明石

化学組成:Ca6(Al,Si)2(SO4)2B(OH)4(OH,O)12+26H2O、Ettringite系鉱物で、三方晶系に属する。屈折率:ω=1.492、ε=1.475 モース硬度:2?2.5、比重:1.77、劈開:完全、色相:無色?黄色透明石 蛍光:一般に弱紫、多色性:微弱???六方複錐面体や角柱状で産出する。
ニュージャージー州、Sussex郡にあるFlanklinで発見された。南アフリカ北部ケープ州Kalahari山のWessels鉱山でEttringiteとSturmaniteと共に産出する

53)Euchroite ユークロアイト:スロヴァキア産 0.278ct 緑色半透明石

化学組成:Cu22+(AsO4)(OH)・3H2O、斜方晶系に属する。? 屈折率:α=1.695、β=1.698、γ=1.733、モース硬度:3.5?4?? 比重:3.44、劈開:2方向に不明瞭、色相:鮮青緑色透明石?半透明石、? 多色性:弱い、
酸に弱く溶けやすい性質がある。短柱状から等粒状、? まれに厚板状結晶で産出する。主な産地はハンガリーのLibethenで雲母片岩の割れ目中にオリーブ銅鉱Oliveniteと共生する。また、ブルガリアの西部Stra-PlaninaにあるZapachitsa銅鉱床の酸化帯にもStrashimirite、Azurite、Malachite、Oliveniteと共生している。名称はギリシア語のEu(美しい)とChroia(色)に由来する。
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54)Sekaninaite セカニナイト:チェコ産 0.884ct 青紫色半透明石

化学組成:(Fe2+, Mg)2 Al4Si5O18、斜 方晶系に属する。屈折率:α=1.559、β=1.569、γ=1.573、モース硬度:7?7.5? 比重:2.77、劈開:なし、色相:青?紫青色透明石?半透明石?
和名は鉄菫青石で、菫青石の鉄置換体で、固溶体を形成している。? 一般的に、構造上の大きな空隙にアルカリ元素や結晶水を含む。チェコの西部、MoraviaのDolni Bory近郊にあるペグマタイト鉱床で大きな結晶が産出している。名称は最初に発見したチェコの鉱物学者J.Sekaninaに由来する。
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55)Shattuckite シャトゥッカイト:3.897ct 青色不透明石

化学組成:Cu5(SiO3)4(OH)2、斜方晶系に属する。屈折率:α=1.752、β=1.782、γ=1.815、モース硬度:3.5? 比重:4.11、劈開:2方向に完全、色相:青色?暗青色半透明石、 蛍光:なし、多色性:微弱??
和名はシャタッカイトで、長さ1?2mmの細柱状結晶の放射状、? 球状集合で産出する。主に銅の二次鉱物の変質物として生じ、アメリカのアリゾナ州、Cochise郡Bisbee地域Shattuck鉱山と、Pima郡のAjo、New Cornelia鉱山にある鉱脈の中で、同じ銅の珪酸塩鉱物であるAjoiteと共に産出する。名称は前者の鉱山に由来する。

ジェム・インフォメーション第27・28合併号発行 2004年6月30日

目次

1)世界に誇る日本の宝石 ロードクロサイトイメージ拡大

2)ダイアモンドの色起源について

3)ツーソン ジェム&ミネラルショー訪問記?2004
   ? ペツォッタイトの産地Ambatovitaで産出する宝石
   ? エスピリト・サントのアクアマリン
   ? ロシア産のカット石
   ? Malawi産のNyala Ruby
   ? 中国産のレッド・ラブラドーライト
   ? カシミール産のペリドート
   ? アメリカ ユタ州のレッド・ベリル
   ? アイダホのサンストーン
   ? ブラック・ダイアモンドの処理前
   ? ブラック・スピネル
   ? トパーズの新しいコーティング
   ? めのうカメオの希少性について
   ? 今話題のベリリウム原石(Bromellite)

4)最近入手した宝石?その11
    51)Afghanite 52)Charlesite 53)Euchroite
   54)Sekaninite 55)Shattuckite

ジェム・インフォメーション第26号発行 2003年12月23日

目次

1)コンクパールの色々な実験
2)インドネシア産の大きなバイオレット・カルセドニー
3)日本人好みのシーブルー・カルセドニー
4)タンザニア産のスカポライト・キャッツアイ
5)ブラッドショット・アイオライト
6)熱水法オートクレーブによる原石の着色
7)タンザニア産のレインボー・ムーンストーン
8)アメシストの色相をしたクンツァイト
9) 水晶中のインクルージョンについて
10)鑑別室だより/カラーオリジンの記載
11)最近入手した宝石?その10
    46)Chlorargyrite 47)Manganotantalite 48)Microlite
    49)Poldervaartite 50)Simpsonite

日独宝石研究所が ドイツ宝石学協会と技術提携

Partnership with D.Gem.G.

ドイツの宝石の町 イーダー・オーバ?シュタイン市にある、ドイツ宝石学協会(Deutsche Gemmologische Gosellschaft-e.V.)と、日独宝石研究所との間で、技術交流の話が進み、去る2月15日イーダー・オーバーシュタインにて最終的な提携が結ばれました。  情報交換を中心に、日本に於ける宝石学講演会の企画、ドイツ宝石学協会への視察訪問、留学案内、ドイツ宝石学協会の鑑別取次ぎなど大きく業務展開をはかる事となりました。

ドイツ宝石学協会鑑別書

 今回の提携事項の第一は、財団法人ドイツ宝石研究所 Deutsche Stiftung Edelstein Forchung(DSEF)の発行する宝石鑑別書の日本側の取り次ぎをする事です。この財団は1969年にドイツ宝石学協会の中に、宝石の鑑別、調査、研究の専門部門として設立され、分析技術の高さは世界一です。

ドイツ 宝石学協会のホームページ?
[Deutschen Gemmologischen Gesellschaft eV]
ドイツ イーダー・オーバーシュタイン市宝石協会のホームページ
[Bundesverband der Edelstein- und Diamantindustrie e_V_, Idar-Oberstein]

ジェム・インフォメーション ラズベリル特集号

2003年11月27日にジェム・インフォメーション ラズベリル特集号が発行されました。昨年11月にマダガスカルで発見されたピンク・ベリルが、今年2月のアメリカ ツーソン市で開催されたジェム&ミネラルショーに出展され大変人気を博した。美しいピンク色でラズベリーの色あいに良く似ているため、“ラズベリル”という別名がつき市場に紹介された。この宝石は、今までのピンク・ベリル すなわちモルガナイトとは大変違っていた。一番の違いはセシウム(Cs)が多量に含まれていて、今までの宝石にはなかった新しい鮮やかなピンク色をしている事だ。残念な事にインクルージョンが多く、ルーペンラインの品質の石はほとんど見られない。その中でもチューブインクルージョンが美しく平行に配列されている石は、シャトヤンシー効果が現われ キャッツアイになる石もあり、人気があるようだ。

今世紀初の新種石“Pezzottaite"特集号発行 2003年10月6日

昨年11月にマダガスカルで発見されたピンク・ベリルが、今年2月のアメリカ ツーソン市で開催されたジェム&ミネラルショーに出展され大変人気を博した。美しいピンク色でラズベリーの色あいに良く似ているため、“ラズベリル”という別名がつき市場に紹介された。この宝石は、今までのピンク・ベリル すなわちモルガナイトとは大変違っていた。一番の違いはセシウム(Cs)が多量に含まれていて、今までの宝石にはなかった新しい鮮やかなピンク色をしている事だ。残念な事にインクルージョンが多く、ルーペンラインの品質の石はほとんど見られない。その中でもチューブインクルージョンが美しく平行に配列されている石は、シャトヤンシー効果が現われ キャッツアイになる石もあり、人気があるようだ。

特性値は; 屈折率:No=1.603?1.608、Ne=1.610?1.615 複屈折性(?0.008??0.009)比重:3.10 (3.04?3.14) 紫外線検査:長波短波共に変化なし
拡大検査:チューブインクルージョンと液体インクルージョンが多い
ハンディタイプの分光器では487nmと551nmに特有の吸収が現われた

EDXRF(エネルギー分散型蛍光X線分析装置)で成分分析した結果、検査石全ての中にセシウムが12%?26%含まれ、他にルビジウム(Rb)やカリウム(K)も検出された。GIAや全国宝石学協会から、ベリルの特徴であるベリリウム(Be)の他にリチウム(Li)ナトリウム(Na)等の軽元素が含まれているとの発表もあり、今までのピンク・ベリル(モルガナイト)とは大きく違っている事が分かった。産地は、マダガスカルの中央部Ambatofinandrahanaの西方140Km程のMandrosonoroのペグマタイト鉱床である。たちまち世界中の鉱物学者の注目するところとなり、特に成分が珍しいため各国の研究者はその特性に注目した。セシウムの量や物理的特性、成分の違い、さらにモルガナイトとの外観の違いなどから、このピンク・ベリルは新種石として登録するのが一番正しいということになり、その手続きが取られた。

9月中旬にスイスのエドワード・ギュベリン博士よりニュースが舞い込んできた。IMA(International Mineralogical Association)において、このピンク・ベリルは新種石として正式に認められ、名前は“Pezzottaite”ペツォタイトと決定したとの知らせであった。まさに21世紀最初に発見された新種石の誕生である。Pezzottaite(ペツォタイト)という名前は、イタリアのミラノ市にある自然歴史博物館(Museo Civico di Storia Naturale)のDr.Federico Pezzottaの名に因んでつけられたとのことである。

第24,25合併号 2003.5.23.発行

Gem Information Vol. 24 & 25

1) 宝石鑑別団体協議会(A.G.L.)新加熱加工の実験と視察イメージ拡大
     ?バンコクとチャンタブリを訪問?
2) 新しいカラーのモルガナイト
3) Bellataire(HPHT)ダイアモンドについて
4) コンゴ産レッド・アンデシンについて
5) めずらしい内包物のあるサンストーン
6) インド南東部の新しいアレキサンドライト
7) 大変稀少なコンク・パール
8) 透明度の大変良いプレーナイト
9)? MnとTiの含有されたカナリー・トルマリン
10)イランで発見!! デマントイド・ガーネット
11) 最近入手した宝石?その9
????????????????????? 41)Boleite? 42)Boracite? 43)Dioptase????
????????????????????? 44)Rhodizite? 45)Stibiotantalite

ジェム・インフォメーション 第23号発行  2002年12月12日

ベリリウム加熱のパパラチャ・サファイア “ 加熱加工の開示 ”

2001年秋から出回り始めたパパラチャ・サファイアの新しい加熱方法で世界中が混乱し、いまだに我々は明確な解答を得られず、先の見えない状態が続いている。一歩間違えれば他の宝石にまで波及し、商売に大きくブレーキをかけかねない危険な方向に進んでいるようにも感じる。

ドイツの旧友を通して、タイで最大の加熱工場を持ち30年以上にわたりコランダムを中心として加熱加工を研究しているY氏と知り合うことができた。何度となく話しをするうちに、“バンコクに来て私が30年以上研究してきた事実を見て欲しい。もちろん焼いている炉の状況や、焼く前の宝石の状態、加熱後の状態、その他疑問に思っている事はすべてオープンにして見せるので、一日も早くバンコクに来てほしい。”との申し出を受けた。

日本市場の現状や今後のことを考えて、絶対に逃す事は出来ないチャンスと考え、すぐ訪問することにした。幸いドイツの旧友も私の予定に合わせてバンコクまで来てくれる事になり、2002年11月初旬の約一週間工場を見学することができた。今回の訪問で、長い間悩んできた数々の疑問点を解き明かす事ができたと同時に、長い宝石加工の歴史の中で、すばらしい高度な技術が開発されていた事に気付き、目を見張る思いであった。 私が見たこと、実際に実験させてもらった事、持ち帰ったサンプル石を分析した結果をここにすべて報告する。
1) 今までの加熱方法と実験結果
2) 加熱加工に用いる炉??
3)ベリリウム (Be) 加熱加工の結果
??? A)ベリリウム使用の新しい加熱方法
??? B) 産地別の加熱結果
??? C) 合成ホワイト・サファイアのベリリウム使用の加熱結果
4)まとめ / 加熱加工の開示??
5)鑑別書の表記に付いての提案

ジェム・インフォメーション第23号は、“ベリリウム加熱のパパラチャ・サファイア”特集号です。52枚(82カット)の写真で詳しい報告をさせていただいています。ご覧になりたい方はご一報ください。