カテゴリー: 3.新しい宝石産地

ドイツ、アイフェル地方メンディヒのアウイン鉱山訪問

ハウインは、サファイアよりも美しい青さを持った宝石とも言われ、
レアストーンのコレクターに大変人気があります。
しかし、その硬度は5-6と宝石としては傷つきやすいものです。
また、溶岩の空隙に生成するその産状から、カット石で
1ctを超えるような大きな石は極めて珍しいものです。

今回、5月にドイツ、コブレンツ市にお住まいのハウインのコレクター、
Mr. Eckhard Mücke(エクハード・ミュケ氏)を訪問し、 予想もしていなかったことに、
ハウインの鉱山にまでお連れ頂いたのでそのご報告をします。

ミュケさんはコブレンツで最も美しい、ライン川とモーゼル川の合流地点
であるドイチェスエックDeutsches Eck(ドイツの角の意味)
の側の古い街並みが続くマーケットの近くにお住まいでした。
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ご自宅の隣の大きなもみの木(?)から聞こえる
鳥たちのさえずりが都会の中のオアシスのようで印象的でした。

ミュケさんにお会いすると、日本からの訪問を大変喜んでくれました。
ミュケさんは現在精神科医のお仕事をされているようですが、
本人のご趣味でアウインのコレクションをされています。
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早速ミュケさんのコレクションを拝見したのですが、
きれいなアウインをあんなにたくさん見たのは初めてというくらい、
とてもきれいにソーティングされていて、驚きました。
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しかし、当然これらはやはり珍しいものなんです、と
見せて頂いたたくさんのカットされない原石を前に、
その貴重なコレクションを惜しげなく見せて
いただいたことを、とてもうれしく思いました。

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そして、急に鉱山へ行く話になりました。私はまさか、鉱山まで
行けるとは思っておらず、再度びっくりしてしまいました。
またミュケさんは、せっかくですから、少しだけコブレンツの
ドイチェスエックを見ていっては、とライン川右岸の崖の上に立つ、
Festung Ehrenbreitstein の古城跡(砦跡?)に連れて行ってもらい、
その風景を楽しみ、河辺のレストランでアイフェル鉱山へのはやる気持ちを抑えつつも、
ライン川の風景を楽しみながら、お昼を急いで頂きました。
コブレンツは川の流れのように、緩やかで美しい街でした。

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さて、鉱山へは高速道路を含め、車で20分ほどの距離でした。
Mendig市の近くで高速を下りると、一面の黄色の菜の花畑が
広がっていました。そして黄色の絨毯のような菜の花畑の
間を進んでいくと、灰色の丘のような、軽石(Bims)の採石場が
広がっていました。そこがアウインの採掘場だったのです。

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軽石はブロックやコンクリートなど建材に用いられるようですが、
山側に広がる採石場で、柔らかな地盤を崩して採掘されるそうです。
その大きな砂山を前に、ここは粗く粉砕された土砂ですが、
ここからもほどほどの大きさのアウインが見つかるんですよと、
説明して頂きました。特に雨が降って濡れるとアウインに
付着した泥が落ち、暗い灰色の土砂の中、鮮やかな
アウインが見つかるということでした。
ただ、その日は前日の雨も乾ききっていて、
この砂山からは一つも見つかりませんでした。
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また、一般にアウインは採石場でもいくつかの場所で露出した、
小石が集まる堆積層から産出するそうで、まず
少し前まで掘っていたという穴を見に行きました。
小砂利が10cmほど溜まった層があり、その場で
すこし掘ってみましたが、そこからもアウインを
見つけることは出来ませんでした。

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また、そこから現在崩している採石場の様子が見え、
そちらに移動しました。

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移動の途中で、ミュケさんにアウインの採取方法を
教えてくれたという、Mr. Norbert Müllerとお会いしました。
(ノルベルト=ミュラー氏、写真で白い顎鬚の方)
ミュラーさんは日本から来たというと、大変喜んでくれ、
最近採取した原石や、3.37ctもある大きなカット石を
見せてくれました。

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最近採掘している場所への道すがらでも
アウインの小さいのがあると、いくつか拾って見せてくれました。
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現在山肌を崩し、軽石の元となる鉱石を採掘している現場
に着くと、写真のような若干暗くなっている、
小さな砂利が多く含まれる層を示し、この小石の中に
アウインも溜まっていると教えてくれました。

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ハウインという希少な宝石が、ドイツという宝石の産地としてはそれほど
メジャーではない国の、都会からもすぐ近くの行きやすい鉱山から産出し、
さらに、その採掘も軽石鉱山の副産物として、大がかりなものではなく、
コレクターの方が趣味として行っている様子には、本当驚きました。

ミャンマーやスマダガスカルのような宝石産出国は、交通の便や治安も悪く、
行きづらい所であり、その採掘も大規模の鉱山主が管理しているような印象がありました。
宝石はそれくらい大きな土地(人が住んでおらず掘り返せる土地)
で大がかりに採掘しないとまとまった生産が得られないほど
少ないものですから、それもしかたのないことですが、このハウイン鉱山
のような鉱山が我々の近くにもあれば、宝石はもっと身近なものに
なったかもしれませんね。

また、今回の訪問ではひとつ大きな失敗がありました。
ドイツ出張時のミュケさんの写真などのデータの入った
デジタルカメラをレンタカーに忘れてしまったのです。
しかし、なんとも幸いなことに、次に乗った方が見つけてくれたのです。
ドイツも日本のように、親切な方が多いようです。
なにはともあれ、大切な写真が戻ってきて、本当によかったのです。

最後に、ミュケさんをご紹介頂いた宝石私立探偵HauyneBlueさん
改めて御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

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Brief photo report from Tibet about andesine mine

Some people doubt that all Chinene (country) andesines in the market now are treated. But there exist natural color andesines in Tibet area as we seen this time. So maybe your andesines are not to be doubted to be treated.

We had a thankful chance to visit Tibet mine of andesine with the party of Dr. Ahmadjan of GAAJ Laboratory and others. This report is from Tibet to show that Tibetan mine has natural red color andesines.

The highest mine of feldspar in the world

The mine is located at Rikaze(Xigazê) area which is 7 hours drive from Lasa and its altitude is over 4000m. The drive showed us the grand scenery of Tibet with high mountains of granite and sandstones covered with snow.

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The area of mine is actually rarely visited regions. Only 60 families of local tribal people live at the root of the mine. Still the mine is operated by hands of them.

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The mine is one part of huge sedimentary deposit. Even on the climb to the pit, some low quality red andesine are found on the ground.

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The pit is mined along the layer of sedimentary rocks. The most of the pits currently operated were dug only the surface. Once they hit the gem ore, they dig more deeply.

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The below pit is about horizontally 4-5m deep. And the bottom of the pit, we tried mining andesines. I tried for a while but I could not reach the points. But Dr. Ahmadjan hit the point where many andesine rough born in the sedimentary soils.

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The miner continued to dig the pit and hit the another large amount of andesines.

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At this mine, andesines were held in the sedimentary soils and the size of roughs are up to 4cm maximum, oval planeform. Once they tried 10m deep mining, they said they got larger pieces. The shape of roughs are very rounded, which means the roughs were heavily weathered since they formed somewhere else.

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We got the many roughs from this mine. Though the most of them are not gem quality, it is enough to check in the laboratory. We will get them back to laboratory to investigate.

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The history and current production situation of andesines from Tibet

From about 30 years ago, the andesines from this mine were not recognized as gemstone and just local kids played with them. And until 2003, small amount of them were delivered to the bazaar of Jokhang temple, which is the largest market in the Tibet, as fancy color rocks for beads. (below photos show the bazaar of Jokhang temple now, behind the bazaar Potala palace seen)

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In 2005, the partner of mine’s current owner, Mr. Li Tong, met the andesine at the bazaar and was fasinated with its mysterious red color. He was invited to the village and found the mine. But? what captured him was not only andesine but the local people. The people were poor but very nice to him because he admire the stone from the holy (to local people) mountain. He gradually joined the village and started organizational mining from the end of 2006 (all output are controlled since then). Still the operation is done by local people only and they do not want foreigners to come to the area. (To regard the will of local people, we would like to keep secret of the detail location of the mine.)

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The analyzed data will reported soon on the web and on the next issue of Gem Information.

宝石の世界 “ロードクロサイト”

ロ ー ド ク ロ サ イ ト   Rhodochrosite  “新しい宝石文化の誕生” アメリカ コロラド州スイートホーム鉱山産 透明ロードクロサイト   1) ロードクロサイト(Rhodochrosite)とは・・・    2) コロラド州スイートホーム(Sweet Home)鉱山の歴史と品質  3) スイートホーム鉱山の場所と地形    4) 新しい採掘方法とカット技術の進歩    5) 類似石と類質同像  6) ロードクロサイトの市場と取り扱い方法  7) 種々の分析データ 

 濃淡のピンク色に白い縞の入ったベーコンの様な外観から、ベーコンストリップとも呼ばれる縞目を持つロードクロサイトは、一般的には不透明な塊状の宝石で、彫刻品や置物などにインカローズ(inca-rose)と呼ばれて長い間使用されてきた。そのうちごく一部の良質なものは丸球等に加工され、ネックレスなどの装身具として欧米では利用されている。 和名で菱マンガン鉱と呼ばれるように、菱面体形状を示す美しい結晶形として産出する透明石が、年に数える程ではあるが発見されてきた。ロードクロサイトはモース硬度が3.5?4とほとんどの宝石より低いが(例 / オパール:モース硬度5.5?6.5)、ジュエリーとしてずっと使用されている真珠(モース硬度:2.5?4.5)よりも硬度が高い点に着目して、新しい技術で採掘され、新しい技術で磨かれ、ここに初めてエッジがシャープな新しい宝石として誕生した。            アメリカコロラド州の4000m以上の高地で、鉱山に入れるのは年に数ヶ月だけという厳しい地形にもかかわらずスイートホーム(Sweet Home)鉱山がアメリカ人によって採掘され、今日本に輸入され始めている。 スイートホーム鉱山の場所と地形 スイートホーム鉱山はコロラド州アルマの北西約6kmの険しいモスキート山脈に位置し、デンバーから南西に128kmの所にある。北はブロス山の中腹にある銀鉱山、南は金の鉱山という2つの主要な採掘地区の中間に存在する。スイートホーム周辺の地形は険しく、高さが4,267mもある山頂が幾つか鉱山を囲んでいて、冬には6m近い豪雪に見舞われ、鉱山に行けるのは1年に2?3カ月しかないという。採掘は通常、雪がなくなる5月下旬頃から開始され、実際に雪がなくなるのは、7月半ばから8月半ばだけだという。 新しい採掘方法とカット技術の進歩 4000m以上の高地で、先カンブリア紀の花崗岩や花崗岩質片麻岩の大変硬い母岩の中に、モース硬度3.5?4と非常に柔らかく、さらに3方向に完全なクリベージを持つロードクロサイトの結晶が入っているために、どのようにそれらを見つけ出し、破壊することなく美しく取り出すかという難題をクリアするためにスイートホーム・ロード社の地質学者達による広範囲な地質地図の作成と調査が行われた。その結果、主要なロードクロサイトの鉱脈が“通常北東にのびる主要な鉱石鉱脈が、断層系と交差する場所に生じる”という理論が成立した。数年後、これらの場所がロードクロサイトのポケットであることが判明した。今までのロードクロサイトの採掘方法や、他の宝石の一般的な採掘方法は、鉱脈近くにドリルで穴を開け、そこにダイナマイトを入れて爆破し、破壊した母岩の中から結晶系を探しだす為、爆破の時点で結晶が割れたり崩れたりしてしまい、完全なものや大きなものは採掘できなかった。 又カット方法も今までの方法では原石のクリーニングに時間をかけず、ただ周囲に付いたほこりや小さな粉末を水で洗い流すだけで、研磨版の材料、研磨の速度、研磨材、ポリシング材…などの研究もさほどなされなかった。 しかし、このグループは硬度の低いロードクロサイトの結晶を取り出すために、チェーンソーを用いて周囲の母岩ごと掘り出すことに成功した。取り出された結晶は5時間ないし10時間のクリーニングを徹底的に行った。粉塵がわずかについているだけで、研磨の際にキズをつけたり、しいては割れにもつながってしまうからである。さらに研磨板の回転速度、摩擦熱を上げないための研究、トップに石をつける接着剤の研究がなされ、徹底した研磨室のクリーン化がはかられた。採掘、研磨の工程で様々な改善がなされたことで、ここのSweet Home鉱山産のロードクロサイトにカット面のエッジがカミソリの刃のようなシャープな宝石が完成したのである。 1992年以降、0.5ct以上の大粒のカット石は、年間100個程度しか生産されていないという数字を見ても、世界中のディーラーの取り合いは必至で、日本に入ってくる数に限りがあることは容易に想像がつく。

モザンビーク産パライバカラー・トルマリン

☆☆☆ Gem News ☆☆
日独宝石研究所 2005.10.3

今年の5月頃より、アフリカ モザンビークのAlto Ligonhaのジャングルの中で新しいパライバカラーのトルマリンが発見され、最近市場に出回っている。ドイツのイーダー・オーバーシュタイン市にも、いち早く原石が持ち込まれ、すでに数社が取り扱っているとの事である。
当研究所にも7月末に顧問のバンク博士より30ピースのカット石が送られてきた。サイズは0.7?48 ctで、驚いた事に今までに見た事が無い色相であった。パステル調のバイオレット、ピンク、ブルー、グリーン、それに緑青色で輝きが強く、まさにエレクトリックの美しい色をしていた。従来のパライバ・トルマリンと比べて、特にサイズが大きく、インクルージョンも少ないのが特徴である。聞くところによると、ブルーの2石以外は全て非加熱で、カット・研磨以外何もされていないとの事であった。
早速30石全てに可能な限りの検査をした。蛍光X線成分分析装置(EDXRF)で検査した結果、30石全てに銅(Cu)やマンガン(Mn)の含有が認められ、通常の鉄(Fe)トルマリンとは完全に違っていた。銅含有のエルバイト・トルマリンであり、今まで発見されているブラジルのパライバ州やアフリカのナイジェリア産のトルマリンに大変良く似ている事が判明した。
知人の話によれば、これらモザンビーク産のトルマリンは、8月にブラジル人が2.7kgと3.2kgの原石をバンコク市内で購入してブラジルに持って行き、また直接モザンビークにも行って捜し求めているとの事である。原石の価格が高騰して地元の人たちは買う事ができないとの事だ。
ブラジルやドイツに入った原石は、すでにカットされ、最高の品質に仕上げられて日本市場に出回っていると考えられる。パステル調の美しい色合いで、インクルージョンも少なく、非加熱の美しさを楽しめる石である。正しい情報開示がもとめられる。

ジェム・インフォメーション ラズベリル特集号

2003年11月27日にジェム・インフォメーション ラズベリル特集号が発行されました。昨年11月にマダガスカルで発見されたピンク・ベリルが、今年2月のアメリカ ツーソン市で開催されたジェム&ミネラルショーに出展され大変人気を博した。美しいピンク色でラズベリーの色あいに良く似ているため、“ラズベリル”という別名がつき市場に紹介された。この宝石は、今までのピンク・ベリル すなわちモルガナイトとは大変違っていた。一番の違いはセシウム(Cs)が多量に含まれていて、今までの宝石にはなかった新しい鮮やかなピンク色をしている事だ。残念な事にインクルージョンが多く、ルーペンラインの品質の石はほとんど見られない。その中でもチューブインクルージョンが美しく平行に配列されている石は、シャトヤンシー効果が現われ キャッツアイになる石もあり、人気があるようだ。

今世紀初の新種石“Pezzottaite"特集号発行 2003年10月6日

昨年11月にマダガスカルで発見されたピンク・ベリルが、今年2月のアメリカ ツーソン市で開催されたジェム&ミネラルショーに出展され大変人気を博した。美しいピンク色でラズベリーの色あいに良く似ているため、“ラズベリル”という別名がつき市場に紹介された。この宝石は、今までのピンク・ベリル すなわちモルガナイトとは大変違っていた。一番の違いはセシウム(Cs)が多量に含まれていて、今までの宝石にはなかった新しい鮮やかなピンク色をしている事だ。残念な事にインクルージョンが多く、ルーペンラインの品質の石はほとんど見られない。その中でもチューブインクルージョンが美しく平行に配列されている石は、シャトヤンシー効果が現われ キャッツアイになる石もあり、人気があるようだ。

特性値は; 屈折率:No=1.603?1.608、Ne=1.610?1.615 複屈折性(?0.008??0.009)比重:3.10 (3.04?3.14) 紫外線検査:長波短波共に変化なし
拡大検査:チューブインクルージョンと液体インクルージョンが多い
ハンディタイプの分光器では487nmと551nmに特有の吸収が現われた

EDXRF(エネルギー分散型蛍光X線分析装置)で成分分析した結果、検査石全ての中にセシウムが12%?26%含まれ、他にルビジウム(Rb)やカリウム(K)も検出された。GIAや全国宝石学協会から、ベリルの特徴であるベリリウム(Be)の他にリチウム(Li)ナトリウム(Na)等の軽元素が含まれているとの発表もあり、今までのピンク・ベリル(モルガナイト)とは大きく違っている事が分かった。産地は、マダガスカルの中央部Ambatofinandrahanaの西方140Km程のMandrosonoroのペグマタイト鉱床である。たちまち世界中の鉱物学者の注目するところとなり、特に成分が珍しいため各国の研究者はその特性に注目した。セシウムの量や物理的特性、成分の違い、さらにモルガナイトとの外観の違いなどから、このピンク・ベリルは新種石として登録するのが一番正しいということになり、その手続きが取られた。

9月中旬にスイスのエドワード・ギュベリン博士よりニュースが舞い込んできた。IMA(International Mineralogical Association)において、このピンク・ベリルは新種石として正式に認められ、名前は“Pezzottaite”ペツォタイトと決定したとの知らせであった。まさに21世紀最初に発見された新種石の誕生である。Pezzottaite(ペツォタイト)という名前は、イタリアのミラノ市にある自然歴史博物館(Museo Civico di Storia Naturale)のDr.Federico Pezzottaの名に因んでつけられたとのことである。