日独宝石研究所 2018年 年賀状のご説明

謹んで新年のご祝詞を申し上げます。 輝かしい年頭にあたり 皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。 昨年中は格別のご用命を賜り厚く御礼申し上げます。 御社のますますのご発展を祈念しますとともに、 本年もなお一層のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。    平成30年 元旦 日独宝石研究所 所員一同
年賀状に用いました写真のご説明をさせていただきます。

昨年はナミビアで第35回国際宝石学会議IGCが開かれ、ナミビアを訪問する機会を頂きました。そして、鉱山主のMr. Stephan Reifのご厚意でデマントイド・ガーネットのGreen Dragon Mineを訪問することが出来ました。

Green Dragon Mineのデマントイド・ガーネットはその名の通り、龍が炎を吐くように強いファイアが特徴です。ロシアのもののような強い色はありませんが、逆に鮮やかなファイアが魅力です。写真はナミビアのデマントイド・ガーネットのカット石です。

また、デマントイド・ガーネットについては株式会社アルビオンアート様から1880年代のアンティークのブローチをお借りし、検査させて頂きました。デマントイド・ガーネットの加熱、非加熱についての貴重な情報を得ることが出来ました。

35th IGC NamibiaではHPHT法、CVD法の合成ダイアモンドの蛍光、燐光を用いた検査方法について発表を行いました。

燐光がなく、蛍光も弱いCVDも作られるようになりましたが、別の検査では写真のようにそのタイプだけが反応するものもあります。一長一短です。鑑別では日本では合成が天然ダイアモンドに混じっていることはほぼなくなったほど減っています。しかし、海外ではそうでもないようで、たくさんのお問い合わせをいただきました。

メジャーな宝石としては、エチオピア産のエメラルドが日本の市場でも見られるようになりました。エチオピアはオパールで宝石産出国としてのプレゼンスを得ました。他にもブルー・サファイアの産出も確認されています。エチオピア産のエメラルドは色が良く、これからの流通が楽しみです。写真はエチオピア産のエメラルドに見られた二相インクルージョンです。

昨年は多くのレアストーンを拝見することが出来ました。その一つがグランディディエライトです。マダガスカルからこれまでの半透明~不透明の認識を覆すような美しい透明石が発見されました。その強い多色性はこれまでの不透明なものでは見られなかったです。写真はグランディディエライトの多色性を撮影したものです。

他にもマダガスカルから、多色性の強いアパタイトが見つかりました。下の写真は2枚の方向を変えた偏光版で多色性の様子を撮影したものです。これまでのネオンブルーのアパタイトとはまた違った魅力で、非常に強いテリが美しい宝石でした。

レアストーンとしてはパラサイトのペリドット部分を宝石用にファセットカットしたパラサイト・ペリドットも美しいものを拝見することが出来ました。こちらはJepara隕石からカットされたものです。写真はそのチューブ状インクルージョンです。

他にも新しい宝石になるのでしょうか、インドネシア産のクリソコーラ・クォーツではなく、オパールを拝見しました。クリソコーラのような高い銅の含有量がありますが、包まれているのはクォーツ/カルセドニーではなく、オパールでした。写真はその原石です。

ラリマーの独特な霞の中に浮き上がるような模様はなぜ起こるのか、サンプルの提供を受け、調べることが出来ました。光ファイバーのような構造があるようです。写真はそのラリマーの断面を写したもので、表の青の濃い部分に繊維状の構造が集まっていることがわかります。

ターフェアイトはスピネルとよく混同される鉱物ですが、ビルマのレッドスピネルのような鮮やかな赤いものを拝見できました。こちらの写真はまた違ったピンクのターフェアイトに見られた結晶インクルージョンです。

これらは、年明けにお届けするGem Information Vol.45で詳しくご紹介させて頂く予定です。

今年も良い宝石に恵まれますように。

それではどうぞよろしくお願いします。

2018年元旦 日独宝石研究所 所長 古屋正貴 社員一同

Leave a Comment

*