ハウインは、サファイアよりも美しい青さを持った宝石とも言われ、 レアストーンのコレクターに大変人気があります。 しかし、その硬度は5-6と宝石としては傷つきやすいものです。 また、溶岩の空隙に生成するその産状から、カット石で 1ctを超えるような大きな石は極めて珍しいものです。 今回、5月にドイツ、コブレンツ市にお住まいのハウインのコレクター、 Mr. Eckhard Mücke(エクハード・ミュケ氏)を訪問し、 予想もしていなかったことに、 ハウインの鉱山にまでお連れ頂いたのでそのご報告をします。 ミュケさんはコブレンツで最も美しい、ライン川とモーゼル川の合流地点 であるドイチェスエックDeutsches Eck(ドイツの角の意味) の側の古い街並みが続くマーケットの近くにお住まいでした。 ご自宅の隣の大きなもみの木(?)から聞こえる 鳥たちのさえずりが都会の中のオアシスのようで印象的でした。 ミュケさんにお会いすると、日本からの訪問を大変喜んでくれました。 ミュケさんは現在精神科医のお仕事をされているようですが、 本人のご趣味でアウインのコレクションをされています。 早速ミュケさんのコレクションを拝見したのですが、 きれいなアウインをあんなにたくさん見たのは初めてというくらい、 とてもきれいにソーティングされていて、驚きました。 しかし、当然これらはやはり珍しいものなんです、と 見せて頂いたたくさんのカットされない原石を前に、 その貴重なコレクションを惜しげなく見せて いただいたことを、とてもうれしく思いました。 そして、急に鉱山へ行く話になりました。私はまさか、鉱山まで ...
皆様ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素より日独宝石研究所をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。この度、大変遅くなりましたが、Gem Information 第39・40合併号が発行の運びとなりました。今号から、紙面のレイアウトを大幅に変更し、文字を小さくしての発行となりました。印刷費の上昇に対応するためのものでご了承いただければと存じます。その代わりと言ってはなんですが、弊社に著作権のある画像につきましては、お客様でご利用される機会がございましたら、これまで以上にご提供させて頂きたいと考えております。 さまざまな理由から低迷する業界ではありますが、宝石の魅力を伝え、その喜びを共有していくことが業界の復興、発展に繋がるものを信じ、これからも情報発信に努めていきたいと思います。 === 内 容 紹 介 === ☆チベットのアンデシン鉱山と拡散加熱処理の現状 チベットのアンデシン鉱山を訪問する機会を得たので報告致します。 また、アンデシンの研究を進める中で、東京都産の アンデシンを入手でき、分析致しました。 いまだ日常的に非破壊でできる手段での鑑別方法は 確立されておりませんが、拡散加熱処理がいろいろなラボで再現され、 鑑別方法についても研究が進んでいる状況です。 ☆ムーンストーンやサンストーンなどの長石の分類 改めてムーンストーンやサンストーンの分類についてご紹介いたします。 海外とはいまだ呼称に違いがあるところもありますので、これらの違いは、 買い付けをされる方にもぜひ知っておいていただきたいものです。 ☆ブラック・ダイアモンドとその類似石 昨年以来、ブラック・モアッサナイトなどの類似石が問題となっております。 それを扱っている業者の方が自ら看破する方法をご紹介いたします。 なんの類似石かの特定は困難な所もありますが、 ダイアモンドではないことに気付くことは可能かと思います。 この方法でぜひご自身でチェックして頂く一助となればと思います。 ☆ペルー産のブルーが美しいクリソコーラ ペルー産とされるクリソコーラが見られるようになりました。 良質のものとされるアメリカ産とも思われるような透明度の高い、 美しい色でしたのでご紹介いたしますと共に、 クリソコーラという宝石について再度ご紹介したいと思います。 ☆ライモナイト入りトパーズ ルチルの針状インクルージョン入りとして流通している トパーズのインクルージョンがルチルではなく、 ライモナイトという別の鉱物であることが分かりました。 生成の仕方もルチルと大きく異なるインクルージョンで、 興味深いものなのでご紹介いたします。 ☆日本の宝石市場に見る変化と提言 昨今に始まったことではありませんが、宝飾業界は長く深い不況にあります。 他の業種やブランドのジュエリーと比較し、 日本の宝飾業界の変化と提言をまとめてみました。 販売店様向けのチェック項目もありますのでご活用いただければと存じます。
Some people doubt that all Chinene (country) andesines in the market now are treated. But there exist natural color andesines in Tibet area as we seen this time. So maybe your andesines are not to be doubted to be treated. We had a thankful chance to visit Tibet mine of andesine with the party of Dr. Ahmadjan of GAAJ Laboratory and others. This report is from Tibet to show that Tibetan mine has natural red color andesines. The highest mine of feldspar in the world The mine is located at Rikaze(Xigazê) area which is 7 hours drive from Lasa and its altitude is ...
最近、メレーサイズの合成ブラック・モアッサナイト(以降:すべて合成)がブラック・ダイアモンド(加熱処理含む)の模造石として問題になっている。大手チェーン店は在庫の全てをチェックするよう、納入業者に全て一度返品したという話まである。当研究所にも問い合わせが相次いでいるので、その特徴と状況について述べる。 ブラック・モアッサナイトの特徴と鑑別方法 ブラック・モアッサナイトは、2000年頃問題になったダイアモンドの類似石、合成モアッサナイトの黒い物である。モアッサナイトは熱伝導率を用いたダイアモンドテスターで、ダイアモンドと同じ反応が出てしまうことで話題になった。しかし、キュービックジルコニアなどに比べ価格が高く、また、複屈折量が多いため、無色石ではダブリングがはっきりと見え、鑑別が容易なことからあまり市場では見られなくなっていた。 また、モアッサナイトは研磨剤として用いられるグリーン・カーボランダム(シリコン・カーバイド)と呼ばれるものと同じもので、今回のブラック・モアッサナイトは、グリーン・カーボランダムが濃緑色不透明多結晶石であったのに対し、その結晶が大きくなったものではないかと思われる。また、その色は黒く見えるが、濃い緑青である。 通常の機材でも分かる鑑別上の特徴としては、表面の深い傷である。下の写真でも深い直線のスクラッチと、研磨の際に付いたと思われる円形のスクラッチ(9時?12時の方向)が見られる。これは多結晶とまではいかないが、結晶が均一でないことであることに由来すると思われる。 また、すべてのブラック・モアッサナイトに含まれる訳ではないが、強い光を当てると内部に、曲線状に連なった気泡が見えることがある。 今回、メレーということで小さい石がたくさんついた商品が多いことから、上記のような顕微鏡による検査が実務上最も有効であると考えている。また、確認用に成分分析機を用いることもある。なお、電導性を調べるモアッサナイトテスターでは多くのブラック・ダイアモンドも電導性があるため、ともにモアッサナイトの反応が出てしまうので、注意が必要である。 ブラック・モアッサナイト 他のダイアモンド類似石の状況 さて、当研究所にはブラック・モアッサナイトは2008年1月に最初に持ち込まれた。香港の業者から購入したというブラック・ダイアモンドのメレーを用いたジュエリーの一部に使われていたものであった。そして、5月頃には国内のルースの大きなロットがまるまるブラック・モアッサナイトであることが発見され、驚かれた。しかし、ルースについては重液やレントゲンでの検査が可能で、その後は見つかっていない。 ブラック・ダイアモンドとしての鑑別依頼は引き続き、当研究所に持ち込まれている。その中で実際ブラック・ダイアモンド以外の類似石(キュービックジルコニア、スピネル、サファイア、カルセドニー)などが、100石ほどメレーが付いたジュエリーで、一つでも発見される割合は5%ほどであり、そのうちの1/5つまり、全体の1%程からブラック・モアッサナイトが発見されている。 ブラック・モアッサナイトが発見されるのは、香港、中国で製造・販売された商品に多く、国内で製造されたものには、ごく少ない数しか見つかっていない。これは調べる対象によって異なるであろうが、当研究所においてはこういう状況である。 つまり、ブラック・モアッサナイトがブラック・ダイアモンドに混入していることは驚異であるが、それ以外の類似石が混入していることが遙かに多いということである。 今般、サブプライムローンの破綻に起因して世界の株価が乱降下している。しかし、サブプライムの問題自体が日本経済には実際それほどの影響があったわけではない。(ご参考:財部誠一の「ビジネス立体思考」) モアッサナイトも同様なのかもしれない。 ブラック・モアッサナイトを含む、ブラック・ダイアモンドの類似石については、顕微鏡などの簡易な機材だけで行える他の類似石との識別方法として、次のGem Informationで解説する予定であるので、詳しくはそちらをご参考にしていただきたい。
6月 10
14
ハウインは、サファイアよりも美しい青さを持った宝石とも言われ、
レアストーンのコレクターに大変人気があります。
しかし、その硬度は5-6と宝石としては傷つきやすいものです。
また、溶岩の空隙に生成するその産状から、カット石で
1ctを超えるような大きな石は極めて珍しいものです。
今回、5月にドイツ、コブレンツ市にお住まいのハウインのコレクター、
Mr. Eckhard Mücke(エクハード・ミュケ氏)を訪問し、 予想もしていなかったことに、
ハウインの鉱山にまでお連れ頂いたのでそのご報告をします。
ミュケさんはコブレンツで最も美しい、ライン川とモーゼル川の合流地点
であるドイチェスエックDeutsches Eck(ドイツの角の意味)
の側の古い街並みが続くマーケットの近くにお住まいでした。
ご自宅の隣の大きなもみの木(?)から聞こえる
鳥たちのさえずりが都会の中のオアシスのようで印象的でした。
ミュケさんにお会いすると、日本からの訪問を大変喜んでくれました。
ミュケさんは現在精神科医のお仕事をされているようですが、
本人のご趣味でアウインのコレクションをされています。 ![]()
早速ミュケさんのコレクションを拝見したのですが、
きれいなアウインをあんなにたくさん見たのは初めてというくらい、
とてもきれいにソーティングされていて、驚きました。 ![]()
しかし、当然これらはやはり珍しいものなんです、と
見せて頂いたたくさんのカットされない原石を前に、
その貴重なコレクションを惜しげなく見せて
いただいたことを、とてもうれしく思いました。
そして、急に鉱山へ行く話になりました。私はまさか、鉱山まで
行けるとは思っておらず、再度びっくりしてしまいました。
またミュケさんは、せっかくですから、少しだけコブレンツの
ドイチェスエックを見ていっては、とライン川右岸の崖の上に立つ、
Festung Ehrenbreitstein の古城跡(砦跡?)に連れて行ってもらい、
その風景を楽しみ、河辺のレストランでアイフェル鉱山へのはやる気持ちを抑えつつも、
ライン川の風景を楽しみながら、お昼を急いで頂きました。
コブレンツは川の流れのように、緩やかで美しい街でした。
さて、鉱山へは高速道路を含め、車で20分ほどの距離でした。
Mendig市の近くで高速を下りると、一面の黄色の菜の花畑が
広がっていました。そして黄色の絨毯のような菜の花畑の
間を進んでいくと、灰色の丘のような、軽石(Bims)の採石場が
広がっていました。そこがアウインの採掘場だったのです。
軽石はブロックやコンクリートなど建材に用いられるようですが、
山側に広がる採石場で、柔らかな地盤を崩して採掘されるそうです。
その大きな砂山を前に、ここは粗く粉砕された土砂ですが、
ここからもほどほどの大きさのアウインが見つかるんですよと、
説明して頂きました。特に雨が降って濡れるとアウインに
付着した泥が落ち、暗い灰色の土砂の中、鮮やかな
アウインが見つかるということでした。
ただ、その日は前日の雨も乾ききっていて、
この砂山からは一つも見つかりませんでした。 ![]()
また、一般にアウインは採石場でもいくつかの場所で露出した、
小石が集まる堆積層から産出するそうで、まず
少し前まで掘っていたという穴を見に行きました。
小砂利が10cmほど溜まった層があり、その場で
すこし掘ってみましたが、そこからもアウインを
見つけることは出来ませんでした。
また、そこから現在崩している採石場の様子が見え、
そちらに移動しました。
移動の途中で、ミュケさんにアウインの採取方法を
教えてくれたという、Mr. Norbert Müllerとお会いしました。
(ノルベルト=ミュラー氏、写真で白い顎鬚の方)
ミュラーさんは日本から来たというと、大変喜んでくれ、
最近採取した原石や、3.37ctもある大きなカット石を
見せてくれました。
最近採掘している場所への道すがらでも
アウインの小さいのがあると、いくつか拾って見せてくれました。
現在山肌を崩し、軽石の元となる鉱石を採掘している現場
に着くと、写真のような若干暗くなっている、
小さな砂利が多く含まれる層を示し、この小石の中に
アウインも溜まっていると教えてくれました。
ハウインという希少な宝石が、ドイツという宝石の産地としてはそれほど
メジャーではない国の、都会からもすぐ近くの行きやすい鉱山から産出し、
さらに、その採掘も軽石鉱山の副産物として、大がかりなものではなく、
コレクターの方が趣味として行っている様子には、本当驚きました。
ミャンマーやスマダガスカルのような宝石産出国は、交通の便や治安も悪く、
行きづらい所であり、その採掘も大規模の鉱山主が管理しているような印象がありました。
宝石はそれくらい大きな土地(人が住んでおらず掘り返せる土地)
で大がかりに採掘しないとまとまった生産が得られないほど
少ないものですから、それもしかたのないことですが、このハウイン鉱山
のような鉱山が我々の近くにもあれば、宝石はもっと身近なものに
なったかもしれませんね。
また、今回の訪問ではひとつ大きな失敗がありました。
ドイツ出張時のミュケさんの写真などのデータの入った
デジタルカメラをレンタカーに忘れてしまったのです。
しかし、なんとも幸いなことに、次に乗った方が見つけてくれたのです。
ドイツも日本のように、親切な方が多いようです。
なにはともあれ、大切な写真が戻ってきて、本当によかったのです。
最後に、ミュケさんをご紹介頂いた宝石私立探偵HauyneBlueさんに
改めて御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
6月 10
8
皆様ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素より日独宝石研究所をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。この度、大変遅くなりましたが、Gem Information 第39・40合併号が発行の運びとなりました。今号から、紙面のレイアウトを大幅に変更し、文字を小さくしての発行となりました。印刷費の上昇に対応するためのものでご了承いただければと存じます。その代わりと言ってはなんですが、弊社に著作権のある画像につきましては、お客様でご利用される機会がございましたら、これまで以上にご提供させて頂きたいと考えております。
さまざまな理由から低迷する業界ではありますが、宝石の魅力を伝え、その喜びを共有していくことが業界の復興、発展に繋がるものを信じ、これからも情報発信に努めていきたいと思います。
チベットのアンデシン鉱山を訪問する機会を得たので報告致します。
また、アンデシンの研究を進める中で、東京都産の
アンデシンを入手でき、分析致しました。
いまだ日常的に非破壊でできる手段での鑑別方法は
確立されておりませんが、拡散加熱処理がいろいろなラボで再現され、
鑑別方法についても研究が進んでいる状況です。
改めてムーンストーンやサンストーンの分類についてご紹介いたします。
海外とはいまだ呼称に違いがあるところもありますので、これらの違いは、
買い付けをされる方にもぜひ知っておいていただきたいものです。
昨年以来、ブラック・モアッサナイトなどの類似石が問題となっております。
それを扱っている業者の方が自ら看破する方法をご紹介いたします。
なんの類似石かの特定は困難な所もありますが、
ダイアモンドではないことに気付くことは可能かと思います。
この方法でぜひご自身でチェックして頂く一助となればと思います。
ペルー産とされるクリソコーラが見られるようになりました。
良質のものとされるアメリカ産とも思われるような透明度の高い、
美しい色でしたのでご紹介いたしますと共に、
クリソコーラという宝石について再度ご紹介したいと思います。
ルチルの針状インクルージョン入りとして流通している
トパーズのインクルージョンがルチルではなく、
ライモナイトという別の鉱物であることが分かりました。
生成の仕方もルチルと大きく異なるインクルージョンで、
興味深いものなのでご紹介いたします。
昨今に始まったことではありませんが、宝飾業界は長く深い不況にあります。
他の業種やブランドのジュエリーと比較し、
日本の宝飾業界の変化と提言をまとめてみました。
販売店様向けのチェック項目もありますのでご活用いただければと存じます。
Some people doubt that all Chinene (country) andesines in the market now are treated. But there exist natural color andesines in Tibet area as we seen this time. So maybe your andesines are not to be doubted to be treated.
We had a thankful chance to visit Tibet mine of andesine with the party of Dr. Ahmadjan of GAAJ Laboratory and others. This report is from Tibet to show that Tibetan mine has natural red color andesines.
The mine is located at Rikaze(Xigazê) area which is 7 hours drive from Lasa and its altitude is over 4000m. The drive showed us the grand scenery of Tibet with high mountains of granite and sandstones covered with snow.

The area of mine is actually rarely visited regions. Only 60 families of local tribal people live at the root of the mine. Still the mine is operated by hands of them.

The mine is one part of huge sedimentary deposit. Even on the climb to the pit, some low quality red andesine are found on the ground.
The pit is mined along the layer of sedimentary rocks. The most of the pits currently operated were dug only the surface. Once they hit the gem ore, they dig more deeply.
The below pit is about horizontally 4-5m deep. And the bottom of the pit, we tried mining andesines. I tried for a while but I could not reach the points. But Dr. Ahmadjan hit the point where many andesine rough born in the sedimentary soils.
The miner continued to dig the pit and hit the another large amount of andesines.
At this mine, andesines were held in the sedimentary soils and the size of roughs are up to 4cm maximum, oval planeform. Once they tried 10m deep mining, they said they got larger pieces. The shape of roughs are very rounded, which means the roughs were heavily weathered since they formed somewhere else.
We got the many roughs from this mine. Though the most of them are not gem quality, it is enough to check in the laboratory. We will get them back to laboratory to investigate.
From about 30 years ago, the andesines from this mine were not recognized as gemstone and just local kids played with them. And until 2003, small amount of them were delivered to the bazaar of Jokhang temple, which is the largest market in the Tibet, as fancy color rocks for beads. (below photos show the bazaar of Jokhang temple now, behind the bazaar Potala palace seen)

In 2005, the partner of mine’s current owner, Mr. Li Tong, met the andesine at the bazaar and was fasinated with its mysterious red color. He was invited to the village and found the mine. But? what captured him was not only andesine but the local people. The people were poor but very nice to him because he admire the stone from the holy (to local people) mountain. He gradually joined the village and started organizational mining from the end of 2006 (all output are controlled since then). Still the operation is done by local people only and they do not want foreigners to come to the area. (To regard the will of local people, we would like to keep secret of the detail location of the mine.)

The analyzed data will reported soon on the web and on the next issue of Gem Information.
10月 08
15
最近、メレーサイズの合成ブラック・モアッサナイト(以降:すべて合成)がブラック・ダイアモンド(加熱処理含む)の模造石として問題になっている。大手チェーン店は在庫の全てをチェックするよう、納入業者に全て一度返品したという話まである。当研究所にも問い合わせが相次いでいるので、その特徴と状況について述べる。
ブラック・モアッサナイトは、2000年頃問題になったダイアモンドの類似石、合成モアッサナイトの黒い物である。モアッサナイトは熱伝導率を用いたダイアモンドテスターで、ダイアモンドと同じ反応が出てしまうことで話題になった。しかし、キュービックジルコニアなどに比べ価格が高く、また、複屈折量が多いため、無色石ではダブリングがはっきりと見え、鑑別が容易なことからあまり市場では見られなくなっていた。
また、モアッサナイトは研磨剤として用いられるグリーン・カーボランダム(シリコン・カーバイド)と呼ばれるものと同じもので、今回のブラック・モアッサナイトは、グリーン・カーボランダムが濃緑色不透明多結晶石であったのに対し、その結晶が大きくなったものではないかと思われる。また、その色は黒く見えるが、濃い緑青である。
通常の機材でも分かる鑑別上の特徴としては、表面の深い傷である。下の写真でも深い直線のスクラッチと、研磨の際に付いたと思われる円形のスクラッチ(9時?12時の方向)が見られる。これは多結晶とまではいかないが、結晶が均一でないことであることに由来すると思われる。

また、すべてのブラック・モアッサナイトに含まれる訳ではないが、強い光を当てると内部に、曲線状に連なった気泡が見えることがある。

今回、メレーということで小さい石がたくさんついた商品が多いことから、上記のような顕微鏡による検査が実務上最も有効であると考えている。また、確認用に成分分析機を用いることもある。なお、電導性を調べるモアッサナイトテスターでは多くのブラック・ダイアモンドも電導性があるため、ともにモアッサナイトの反応が出てしまうので、注意が必要である。
さて、当研究所にはブラック・モアッサナイトは2008年1月に最初に持ち込まれた。香港の業者から購入したというブラック・ダイアモンドのメレーを用いたジュエリーの一部に使われていたものであった。そして、5月頃には国内のルースの大きなロットがまるまるブラック・モアッサナイトであることが発見され、驚かれた。しかし、ルースについては重液やレントゲンでの検査が可能で、その後は見つかっていない。
ブラック・ダイアモンドとしての鑑別依頼は引き続き、当研究所に持ち込まれている。その中で実際ブラック・ダイアモンド以外の類似石(キュービックジルコニア、スピネル、サファイア、カルセドニー)などが、100石ほどメレーが付いたジュエリーで、一つでも発見される割合は5%ほどであり、そのうちの1/5つまり、全体の1%程からブラック・モアッサナイトが発見されている。
ブラック・モアッサナイトが発見されるのは、香港、中国で製造・販売された商品に多く、国内で製造されたものには、ごく少ない数しか見つかっていない。これは調べる対象によって異なるであろうが、当研究所においてはこういう状況である。
つまり、ブラック・モアッサナイトがブラック・ダイアモンドに混入していることは驚異であるが、それ以外の類似石が混入していることが遙かに多いということである。
今般、サブプライムローンの破綻に起因して世界の株価が乱降下している。しかし、サブプライムの問題自体が日本経済には実際それほどの影響があったわけではない。(ご参考:財部誠一の「ビジネス立体思考」) モアッサナイトも同様なのかもしれない。
ブラック・モアッサナイトを含む、ブラック・ダイアモンドの類似石については、顕微鏡などの簡易な機材だけで行える他の類似石との識別方法として、次のGem Informationで解説する予定であるので、詳しくはそちらをご参考にしていただきたい。
9月 08
26
7月23日に発行されたGem Information第35・36合併号の内容を簡単に紹介します。
(1)アンデシンの着色元素(銅)の拡散加熱処理とチベットの新鉱山
1)アンデシンのCu拡散加熱処理
2)チベットのラサ近郊で発見された神秘的なアンデシン
3)アンデシンの現在の鑑別の状況と世界の鑑別機関の取り組み
(2)マダガスカル産ロードライト・ガーネット
(3)産出が少なくなっている美しいスペサルティン・ガーネット
(4)マダガスカル産透明ロードナイト
(5)不思議な宝石“ハックマナイト”
(6)シクラメン・レッドの宝石タグトゥパイト
(7)エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDXRF)の導入
(8)最近入手した宝石―その17
81) Chondrodite 82) Cleiophane 83) Creedite
84) Musgravite 85) Poudretteite
(9)75周年を迎えたドイツ宝石学協会
1)ドイツ宝石学協会 創立75周年式典に参加
2)最新の話題に満ちあふれた14の記念講演
3)ドイツ宝石学協会とその75年の歴史
☆アンデシンの拡散加熱処理とチベットの新鉱山
処理されたアンデシンの原石が当研究所に提供された。それは段階的に外部から着色原因である銅が拡散されたものであった。現在、どの程度この処理が用いられているか、またどのように鑑別されるかは分かっていないが、世界中の研究所が調査に取り組んでいる。また、同じ頃チベットの首都ラサから、ナチュラルの新鉱山の報告があった。5,6000m級の鉱山から産出するという神秘性が面白い。現地を訪れ、検証する機会が待ち望まれる。
☆産出が減少しているスペサルティン・ガーネット
良質のものの産出が年々減少しているスペサルティン・ガーネットについてその産地ごとの特徴を調査した。スペサルティン・ガーネットは褐色を含んでいない純粋なオレンジ色をしているナミビア産のものが有名であるが、その他スリランカ、アメリカ、ドイツ、ナイジェリア、ケニアなどの産地のものを検証する。
☆ 紫外線で変色する宝石、ハックマナイトとタグトゥパイト
紫外線を浴びると変色するハックマナイトが人気である。その産地ごとの特徴をまとめた。良質なものが多いミャンマー産の産出が著しく減少していることは大変残念である。また、同様の変色効果を持つ宝石があり、それはシクラメンのような美しい赤色をしたタグトゥパイトである。その特徴を解説する。
☆ マダガスカル産の透明なロードナイト
マダガスカルからの宝石の産出はとどまるところを知らない。見たこともないような宝石が産出する国である。今回は鑑別に持ち込まれた透明な美しいロードナイトにその焦点を当てる。
☆ ドイツ宝石学協会75周年式典とその歴史
創立者古屋正司が宝石学の基礎を学んだドイツ宝石学協会が創立75周年を祝し、記念式典を行った。世界中から著名な宝石学者や宝石業者が集まり、その最新の情報を発表し合った。その講演の内容をお伝えすると共に、ドイツ宝石学協会の75年の歴史を振り返る。
New issue of our Gem Information Vol.37,38 is published on 23rd July 2008. Briefly introduce the contents.
1) Copper diffusion treatment of andesine and new mine of Tibet
1] Copper diffusion treatment of andesine
2] “Holy” andesine from Tibet
3] Current situation of andesine identification
2) Rhodolite garnet from Madagascar
3) The rare and rarerSpessartine Garnet
4) Transparent rhodonite from Madagascar
5) Mysterious hackmanite
6) Tugtupite, red hackmanite?
7) EDXRF is installed to our laboratory
8) Rare stone collection Vol.17
81) Chondrodite 82) Cleiophane 83) Creedite
84) Musgravite 85) Poudretteite
9) 75 years history of Deutsche Gemmologische Gesellschaft
1] 75th anniversary of D.Gem.G
2] 14 special lectures at the ceremony
3] 75 years history of D.Gem.G
The detailed explanation will continue. Please click beneath link.
11月 07
24
謹啓 菊花の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
前所長古屋正司急逝に伴い、後任として日独宝石研究所の所長に就任いたしました。前所長の宝石への情熱と、宝石の魅力を皆様にお伝えする使命を引き継ぐべく、左記の新体制で業務に当たることとなりました。また、つきましては、微力ながら宝石業界発展のために誠心誠意、職務に精励する覚悟でございます。何卒一層のご指導ご教示を賜りますよう、衷心よりお願い申し上げます。
先ずは、略儀ながらご挨拶申し上げます。
謹白
平成十九年十一月吉日
日独宝石研究所
所長 古屋 正貴 E.G.(EU), D.Gem.G(独), C.G.J(日), G.G.(米), MBA
主任 剱持 苗子 GIA G.G. (米)
檀上 圭司 F.G.A. (英)
鄭 ウンア
11月 07
23
訃報 所長 古屋正司氏 死去
President Mr. Masashi Furuya passed away
10月23日、日独宝石研究所 所長古屋正司が死去いたしました。古屋氏は19日早朝突然の脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血により、甲府市内の病院に搬送されましたが、必至の手当てもむなしく23日夜7時56分息を引き取りました。心よりご冥福をお祈りいたします。
また、古屋正司氏の死を受け、日独宝石研究所は長男 古屋正貴が微力ながら、正司氏の意思を継承し、その業務を継続してまいります。今後ともこれまで以上のご指導ご鞭撻を頂戴できればと存じます。
日独宝石研究所 所長 古屋 正貴
On 23rd October, president of Japan Germany Gemmological Laboratory, Mr. Masashi Furuya passed away because of sudden stroke of cerebral hemorrhage. We know you join us in our sorrow.
JGGL is succeeded to his son, Masaki Furuya and keeps on its laboratory service. We hope that we can have same relationship with all partners as before.
President Masaki Furuya
E.G., D.Gem.G., G.G., C.G.J., MBA
5月 07
26

和名:アウゲライト 化学組成:Al2(PO4)(OH)3 単斜晶系に属する。 産状:柱状、塊状、卓状結晶色相:無色、白色、黄色、淡い青色、緑色 透明から半透明石 光沢:ガラス光沢、劈開面は真珠光沢 モ?ス硬度:4.5?5 劈開:一方向に完全比重:2.69?2.75 屈折率:α=1.570 β=1.574 γ=1.590 複屈折量:+0.014 ~ 0.020 蛍光:長波・短波共に変化なし 産地:アメリカ、インド、ボリビア、スウェ?デン、ウガンダ・・・等 燐酸とアルミナを主成分とし、硫化物、
硫塩鉱物などと共生するが産出は少なく、アメリカのカリフォルニア州の鉱山で良質な結晶の産出はあったが、閉山のため今では極めて稀な石になっている。アウゲライトは劈開面が真珠状の光沢を示すためにギリシア語の光沢を意味するAugeから命名された。

和名:エデン閃石 化学組成:NaCa2Mg5Si7AlO22(OH)2 単斜晶系に属する。産状:塊状、柱状結晶 色相:無色、白色、灰色、濃い緑色、透明から不透明石 光沢:ガラス光沢 モ?ス硬度:5?6 劈開:{110}完全 比重:3.00?3.06 屈折率:α=1.612?1.638 β=1.625?1.652 γ=1.630?1.654 蛍光:長波に変化なし、短波にて黄緑色蛍光産地:アメリカ、カナダ、日本・・・等
角閃石グル?プの一つであり、含有成分によりMg > Fe2+になるとEdenite(エデナイト)、 Fe2+ > MgになるとFerro‐edenite(フェロ?エデナイト)、チタンを含有するとKaersutite(ケルス?タイト)等の名がつく。角閃石グル?プの中で宝石質のものは極めて稀である。最初に発見されたアメリカNewYork州のEdenvilleに因んで命名された。

和名:微晶石 化学組成:(Ca,Na)2Ta2O6(O,OH,F) 等軸晶系に属する。産状:粒状、塊状、八面体結晶色相:淡黄色、黄色、褐色、緑色、透明から不透明石光沢:ガラスまたは樹脂光沢 モ?ス硬度:5?5.5 劈開:八面体方向に明瞭 比重:4.3?5.7(通常5.5) 屈折率:n1.93?1.94、メタミクト化の場合1.98?2.02 蛍光性:長波短波共に変化なし 産地:アメリカ、ブラジル、アフガニスタン、マダガスカル・・等
パイロクロア(Pyrochlore)グル?プの一つであり、主にリチウムペグマタイト中にアルバイト、微斜長石、リシア雲母などを伴って第一次生鉱物として産出する。結晶体が小さいために大きなカット石を得ることは困難とされている。最初に発見された結晶が微小であったことに因んで命名された。

和名:ロ?ゼ石 化学組成:Ca2(Co2+,Mg)(AsO4)2・2H2O 単斜晶系に属する。産状:厚い板状結晶 色相:赤色、紫赤色、ピンク、透明から半透明石 光沢:ガラス光沢 モ?ス硬度:3.5 劈開:{010}完全比重:3.50?3.74 屈折率:α=1.694 β=1.704 γ=1.719 複屈折量:+0.025 蛍光:長波・短波共に変化なし 産地:モロッコ、ドイツ、スペイン、ナミビア・・・等
ロ?ゼライトグル?プの一つであり、コバルト華(Erythrite)に伴って産出する。コバルトの含有量がマグネシウムより多いとロ?ゼライトになり、マグネシウムの含有量がコバルトより多いとウェンドウィルソ石になる。鮮やかな紫赤色の色の原因はコバルトであり、産地であるモロッコのBou Azzerはコバルト鉱物の世界的産地として知られている。

和名:タウマサイト化学組成:Ca6Si2(CO3)2(SO4)2(OH)12・24H2O 六方晶系に属する。 産状:塊状、繊維状、針状結晶色相:無色、白色、透明から不透明石 光沢:ガラス光沢 モ?ス硬度:3.5 劈開:不明瞭比重:1.91 屈折率:ω=1.500?1.507 ε=1.464?1.468 複屈折量:-0.036 蛍光:長波・短波共変化なし産地:アメリカ、スウェ?デン・・・等
エトリンジャイト(Ettringite)グル?プの一つであり、多量の水分を含んでいる。ファセットカットされた透明石はごく稀である。繊維状塊状石は、磨くと弱いシャトヤンシ?を示しキャッツアイ石となる。名称は様々な化学成分を含んでいることから驚きを意味するギリシア語のThaumaseinに因んで命名された。
5月 07
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“新しい宝石はツーソンから”と言われるように、ツーソンは世界中から出展者とバイヤーが集まる世界一の宝石・鉱物フェアーである。この日のために長い時間をかけて集められた宝石コレクションのデビューの場でもあり、新しい宝石との出会いに胸膨らませて、再びツーソンの地に降りたった。
今回は、ロサンゼルスの飛行場で、予約していた飛行機が出発の1時間前になって欠航になったとのアナウンスがあり、飛行機でツーソンに入る事が出来なかった。別の便でも空席は見つからず、同じ状況の旅行者がカウンターに列を作る程であった。幸いにも、イーダー・オーバーシュタインからツーソンに出展のために来ていた知り合いに会う事が出来、急遽ロスアンゼルスから途中に位置するアリゾナ州最大の町フェニックスまで飛行機で行き、そこからレンタカーでツーソンまで約100マイルをドライブしようという事になり、同行させてもらう事が出来た。夜のアリゾナのドライブも快適で、約2時間の運転で、真夜中にやっとツーソンに到着した。
?1954年Helen Keeling Schoolの体育館でスタートした展示会も今年は53回目を向かえ、38箇所の会場に43のグループが出展して、1月26日から2月12日まで最短4日間、最長18日間の展示会が開催された。世界中から4万人近くの人々が“新しい宝石との出会い”を求めてツーソンに集まった。

GJX Gem & Jewelry Show???????????????????? Gem & Lapidary Whole Sellers

Mineral & Fossil Co-op???????????????????????????????????????? ?A.G.T.A.
?1月26日から2月4日までの10日間に、出来る限りの会場を回り、気づいたら1200枚の写真を撮影していた。特に今年のツーソンの特徴と思われる展示を中心に、それらの写真の一部を紹介する。
1)会場

Glove-XDays Inn????????????????????????????????????????? A.K.S.Gem Show
?今年の会場は38箇所に増えていた。会場といっても、高級リゾートホテルの大ホールに美しいガラスケースを並べて展示している会社から、野外に張られた大きなテントの中でテーブルを並べて展示している店まで様々である。中には、会場近くに大きなトレーラーを横付けして、その荷台に石を並べている人もいるし、道の両側にテーブル1台を置いてその上で商売している人もいる。
?取り扱われている品物は多く、宝石のみならず鉱物や化石、巨大な置物、専門書、専門工具や機械、宝石処理用の薬品・・・等、ツーソンで手に入らないものは無いと言えるほど、様々な業者が出展しているのもツーソンのおもしろいところである。
2)特に目に付いた産出国
世界経済の流れの中で、近年中国とロシアが際立っている事は誰もが認めるところであろうが、今年のツーソンでもまさに同じ現象が見うけられた。中国からの出展業者は目立って増えていて、美しいフローライトや輝安鉱、シーライト、スミソナイト等の中国産の結晶が多量に展示されていて、従来の市場を独占するかの様な勢いである。ロシアからの出展業者もまた、大変に多く、ロシア産の良質な原石が目立つと共に、出展品の種類そのものが増えていた。
3)心に残った宝石
?38の会場全てを回るのは大変に忙しく、約1万社が出展している為にそれらのブースを全て見て回る事は不可能である。しかし自分が見たい石があれば、逆に石が自分を引き付けてくれて、そこで新しい出会いを生み出してくれる。そんな中で、今回は特にインクルージョン鉱物が大変目に付いた。水晶の中に入っているギラライト、ホランダイト、フローライト・・・等は大変おもしろい鉱物である。8ct近い大きく、美しいコンクパールや、直径22mmの真円の白蝶パール、メキシコ産のデマントイド・ガーネット、50ct程の大変美しいスリランカ産クリソベリル・キャッツ・アイ・・・等など。ツーソンはゆっくり時間をかけて見て回ると、博物館に展示するような宝石によく出会う。
4)パライバ・トルマリンのツーソンでの現状
?2005年春頃に日本市場で見かけるようになったモザンビーク産のパライバ・トルマリンは、昨年初めから夏頃まで本格的に採掘され、瞬く間に世界の三大宝石加工地であるブラジル、タイとドイツに持ち込まれた。それぞれ大きさや品質は多少違っているが、今までのパライバ・トルマリンの流れを変えるほどの質、量、サイズであった。ホテルの別室を貸し切って招待客だけを入れてゆっくり商売している会社もあった。80ctのペアーの石には言葉も失ってしまった。特に注意して見て回ったがブラジル産のパライバ・トルマリンは大変少なく、美しい石は又一段と高くなっていたような気がした。パライバ・トルマリンの色は、やはり際立っている。
5)大型の置物
ツーソンのフェアーには、身に付けるための宝石だけでなく、宝石博物館や自然史博物館などに展示するような大型のディスプレイ用の宝石や鉱物が取り扱われている。庭に展示されていた約4mのアメシストの独鈷、壁一面に展示されていた約2億年前の化石のかたまり、一瞬博物館に入ったのかと錯覚するほどの数百キロサイズの水晶の独鈷の数々、等身大よりやや大きな大理石に彫刻されたやさしい顔のヴィーナス像・・・等、目を見張るものがたくさんある。特に驚いたのは、ライオンやカバ、鹿などの剥製がぎっしりと並べられていた。聞く所によると、自然史博物館のディスプレイとして使われているとの事である。ライオンの毛並みに触れたのも初めてであった。
6)アメリカ産の宝石とデザイナー製品
今回のツーソン・フェアーでは、デザイナーによる新しい製品が目に入った。特に一見ドイツのムーンシュタイナー・カットではないかと錯覚する、アメリカのMichael Dyber氏の丸型や溝がパビリオン部に掘り込まれたカット石、ムーンシュタイナーのカット石を用いて、独自にデザインを起こし、ペンダント等に加工した製品、アメリカのユタ州で世界で唯一、最高級品質の宝石が産出されているレッド・ベリルの専門店、又ユタ州産出のバリサイト(Variscite)の原石を用いてその緑色部だけを彫刻した珍しい置物、アメリカ産トルコ石の専門業者、AGTAの鑑別書が付いていた金や銀入り水晶の製造者・・・等、地元アメリカの出展業者が目立っていた。
7)世界の珍しい彫刻品
それぞれの国で産出される原石を用いて、その国特有の動物や鳥などを1点ずつ手彫りで仕上げた彫刻品は大変すばらしく、しかも安価なものが多い。国ごとの物価水準の違いにより、彫刻家の工賃も違ってくる。特にジンバブエで彫刻された象、キリン、サイ、猿・・・のバーダイト(Vardite)の原石を用いた彫刻品は、高度な彫刻技術で彫刻されたため大変質が良く、価格は安いものであった。コンテナ1台を確保して日本に送りたいほどであった。又、ペルーで産出された原石に小鳥などを彫刻した置物は、小鳥の姿がはっきり表現されているものが多かった。動物の牙を用いた彫刻品、ドイツからのアクアマリンやイエロー・ベリル等に動物が彫刻された置物が目に入り資金的に許されるのであれば、あれもこれも買いたい物ばかりであった。