月別: 2005年10月

宝石の世界 デマントイド・ガーネット発行

デマントイド・ガーネット Demantoid Garnet

100年の眠りから覚めた伝説の宝石

1853年頃、ロシアの中央ウラル山脈にあるElizavetinskoye村で、輝きの強い濃いグリーンの宝石が発見された。それはダイアモンドのような美しい輝きがあったため、デマントイド(Demantoid)つまり“ダイアモンド(オランダ語でDemant)に似た”という名前が付けられた。その後、そこから南へおよそ160kmのSissertsk地域からも採取されている。
デマントイド・ガーネットは、1875年頃から1917年のロシア革命によりロマノフ王朝が崩壊するまで、ロシアの宮廷ジュエリーとしてもてはやされ、皇族や貴族の身につける宝飾品を彩った。
特に、ロシア皇帝お抱えの宝石商Karl Fabergeによって製作されたものは有名である。ロシア革命後は採掘が途絶え、ごく最近までアンティークジュエリーの中に時々見かけるだけの“幻の宝石”になってしまった。
しかし、2002年にSissertsk地域Kladovkaの再開発がはじまり、その昔ロシア皇帝や貴族達しか持つことを許されなかったという希少価値から、いまウラル産のデマントイド・ガーネットが、大変注目を集めている。また、ウラル産デマントイド・ガーネットに見られるインクルージョンは、馬の尻尾のように見える事から“ホーステール・インクルージョン”と呼ばれ、馬を愛するヨーロッパの貴族階級の間で“幸運の象徴”として古くから大変珍重されている。
以下・・・?ガーネットの種類
     ?デマントイド・ガーネットとは
     ?特有のホーステール・インクルージョン
     ?ロシア産デマントイド・ガーネット
     ?その他のデマントイド・ガーネットの産地
     ?さらなる100年後にロマンを託して

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モザンビーク産パライバカラー・トルマリン

☆☆☆ Gem News ☆☆
日独宝石研究所 2005.10.3

今年の5月頃より、アフリカ モザンビークのAlto Ligonhaのジャングルの中で新しいパライバカラーのトルマリンが発見され、最近市場に出回っている。ドイツのイーダー・オーバーシュタイン市にも、いち早く原石が持ち込まれ、すでに数社が取り扱っているとの事である。
当研究所にも7月末に顧問のバンク博士より30ピースのカット石が送られてきた。サイズは0.7?48 ctで、驚いた事に今までに見た事が無い色相であった。パステル調のバイオレット、ピンク、ブルー、グリーン、それに緑青色で輝きが強く、まさにエレクトリックの美しい色をしていた。従来のパライバ・トルマリンと比べて、特にサイズが大きく、インクルージョンも少ないのが特徴である。聞くところによると、ブルーの2石以外は全て非加熱で、カット・研磨以外何もされていないとの事であった。
早速30石全てに可能な限りの検査をした。蛍光X線成分分析装置(EDXRF)で検査した結果、30石全てに銅(Cu)やマンガン(Mn)の含有が認められ、通常の鉄(Fe)トルマリンとは完全に違っていた。銅含有のエルバイト・トルマリンであり、今まで発見されているブラジルのパライバ州やアフリカのナイジェリア産のトルマリンに大変良く似ている事が判明した。
知人の話によれば、これらモザンビーク産のトルマリンは、8月にブラジル人が2.7kgと3.2kgの原石をバンコク市内で購入してブラジルに持って行き、また直接モザンビークにも行って捜し求めているとの事である。原石の価格が高騰して地元の人たちは買う事ができないとの事だ。
ブラジルやドイツに入った原石は、すでにカットされ、最高の品質に仕上げられて日本市場に出回っていると考えられる。パステル調の美しい色合いで、インクルージョンも少なく、非加熱の美しさを楽しめる石である。正しい情報開示がもとめられる。