モザンビーク産パライバカラー・トルマリン

☆☆☆ Gem News ☆☆
日独宝石研究所 2005.10.3

今年の5月頃より、アフリカ モザンビークのAlto Ligonhaのジャングルの中で新しいパライバカラーのトルマリンが発見され、最近市場に出回っている。ドイツのイーダー・オーバーシュタイン市にも、いち早く原石が持ち込まれ、すでに数社が取り扱っているとの事である。
当研究所にも7月末に顧問のバンク博士より30ピースのカット石が送られてきた。サイズは0.7?48 ctで、驚いた事に今までに見た事が無い色相であった。パステル調のバイオレット、ピンク、ブルー、グリーン、それに緑青色で輝きが強く、まさにエレクトリックの美しい色をしていた。従来のパライバ・トルマリンと比べて、特にサイズが大きく、インクルージョンも少ないのが特徴である。聞くところによると、ブルーの2石以外は全て非加熱で、カット・研磨以外何もされていないとの事であった。
早速30石全てに可能な限りの検査をした。蛍光X線成分分析装置(EDXRF)で検査した結果、30石全てに銅(Cu)やマンガン(Mn)の含有が認められ、通常の鉄(Fe)トルマリンとは完全に違っていた。銅含有のエルバイト・トルマリンであり、今まで発見されているブラジルのパライバ州やアフリカのナイジェリア産のトルマリンに大変良く似ている事が判明した。
知人の話によれば、これらモザンビーク産のトルマリンは、8月にブラジル人が2.7kgと3.2kgの原石をバンコク市内で購入してブラジルに持って行き、また直接モザンビークにも行って捜し求めているとの事である。原石の価格が高騰して地元の人たちは買う事ができないとの事だ。
ブラジルやドイツに入った原石は、すでにカットされ、最高の品質に仕上げられて日本市場に出回っていると考えられる。パステル調の美しい色合いで、インクルージョンも少なく、非加熱の美しさを楽しめる石である。正しい情報開示がもとめられる。

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